サンサルヴィの最後の晩餐
アンドレア デル サント(1486―1530)
作品は 保存状態が良く彩色とデザインが驚異的に鮮やかである上、全登場人物が威厳と優雅さを たたえている。絵に接する誰もがこの絵の素晴らしさにしばし唖然として立ちつくす。
1529年にフィレンツエが敵に包囲されたときもそうだった。街の郊外のあらゆる建物は、修道院も病院もみな略奪そして破壊しようとしていた敵軍は、サンサルヴィの教会と鐘楼も破壊し、更に修道院の奥へと進んでいった。しかし、食堂に至りこの傑作を見たとき、さしも の破壊者達も はっと我に返り、破壊の手を止めてこの傑作を保存する事にしたのである。(ジョルジョ ヴァザーリ、1568年)
その同じ傑作は今日も尚、この厳かな旧食堂を訪れるものを魅了して止まない。
巨大な石暖炉のある台所や、ベネット ダ ロッヴェッツアーノが上品な彫刻を施した洗水盤のある
部屋から大きな食堂に入ると、部屋の奥の壁にまるで生きた劇場空間であるかのような最後の晩餐がま
っているのだ。(セレナ パドヴァーニ、1986年)
Left: particular of the Andrea del Sarto's Last Supper.